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基礎知識

離婚をしたいと思っている方の中には、様々な悩みがあります。実際に離婚をするとなると、これまでと大きく生活環境が変わることにもなります。

本当に離婚して良いのか、もっと良い条件で離婚できるのではないか、きちんと生活していけるのか。悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。

離婚は、人生の大きな決断です。一人きりで悩まず、弁護士に相談してみませんか。

あなたの状況に応じて、一緒に最適な解決策を導きます。

 

離婚の準備

自立のための準備

離婚するとなったら、自身の生活のためにお金が必要です。専業主婦の方などは、生計を夫の収入に頼っているため、離婚に踏み切れないケースがよくあります。

また、離婚に先立ち、別居を考えたとしても、アパートを借りるためには引越し費用や敷金礼金など、まとまったお金が必要となります。
離婚を少しでも考えているなら、仕事を探したり、少しでも倹約してお金を貯めるなどしておきましょう。

相手に請求できるお金について知識をつけておく

離婚に伴い、相手にお金を請求できる場合があります。
例えば、相手の不倫やDVなど、全面的に相手が悪く、あなたが精神的苦痛を受けていた場合は慰謝料の請求ができますし、夫婦のお金を原則半分にわける財産分与の手続きや、子どもがいる場合には養育費ももらえます。

また、離婚で揉めている時も、夫婦関係は続いているので、婚姻費用といって、生活費を請求できる場合があります。養育費や婚姻費用の具体的な金額は、基本的には、家庭裁判所の定める基準(算定表)に基づいて決まります。

相手の経済状況を把握しておく

お金を請求できるとしても、相手がどれだけの資産を持っているのか、あるいは借金があるのかなどの情報は、同居している間ならば比較的容易に手に入れることができます。

いざ離婚となった時に、相手が財産を隠す場合もありますので、離婚を考えた時には、これらの情報を確保しておくことが大切です。具体的には、預金通帳、給与明細、源泉徴収票、不動産の登記簿、生命保険に関する書類などです。離婚を考えた場合には、これらはコピーを取っておくようにしましょう。

相手の不利な証拠を確保しておく

相手にとって不利な事実に関する証拠を確保しておく必要があります。
これにより、慰謝料の請求ができる可能性がありますし、その他の離婚の条件についての話し合いも有利に進められる場合があります。
例えば、以下のようなものがあります。

不倫・浮気の事実を証明する証拠

・ホテルやアパートに出入りしているところの写真
・メールやSNSなどで、肉体関係があったと思われるようなやり取り
・夫(妻)本人や、浮気相手が浮気の事実を認めたことを記録した書面

DVの事実を証明する証拠

・ケガの診断書
・ケガを撮影した写真
・暴力を受けた日時や場所、状況を記したメモや日記

悪意の遺棄を証明する証拠

・生活費の振り込みがないことがわかる通帳の記録
・別居に至った経緯などを記した日記
・別居先を特定できる資料

離婚事由

どんな理由があれば離婚できるのか

配偶者に離婚したいと言ったら、配偶者もすぐに同意してくれた時。この場合は、離婚届けに夫と妻双方の署名押印をし、市役所に届ければ離婚が成立します。
しかし、配偶者が離婚に応じてくれない時。このような場合は家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになりますが、それでも離婚の合意に至らなかった場合は裁判で離婚を請求していくことになります。
さて、裁判になった場合に離婚が認められるかですが、民法は以下のような離婚事由を規定しています(民法770条)

① 配偶者に不貞行為(浮気)があったとき
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
③ 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

上記の①~⑤のいずれがあったと裁判官が認めてくれた場合は離婚できます。
そのためには、上記の①~⑤の事実を証明する証拠が必要になります。
例えば、①不貞行為(浮気)については、配偶者が知らない者とツーショットで写っている写真やプリクラ、ホテルの領収書等は見つけたら保存しておきましょう。

その他婚姻を継続しがたい重大な事由とは

性格の不一致

性格の不一致というとかなり漠然としていますが、生活観や人生観の相違、生活習慣の違いなどにより、婚姻生活が正常なものに回復することが困難なほど形骸化しており、破たんしていると認められる場合は、離婚できる可能性があります(参考裁判例 東京高判昭54・6・21東高民30・6・152)。

配偶者からの暴力・DV・暴言

配偶者から繰り返し暴力を受けている場合は、婚姻を継続しがたい事由に当たる可能性が高いです。
また配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(通常、DV[防止法と言われています。)では「配偶者からの暴力」を、
① 配偶者からの身体に対する暴力(具体的には身体に対する不法な攻撃であって生命または身体に危害を及ぼすものです)
② ①に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動
と定義しています。
上記の②に言動とあるように、暴力だけでなく、相手の心を深く傷つけたり、人格を否定するような暴言も言葉の暴力として、婚姻を継続しがたい事由に当たりえます。
具体的には、「お前は妻としての価値がない。」「何もできない人間だ。」「死ね。」等の言葉です。

性交不能(セックスレス)

病気等の事情がないにも関わらず、性生活の要求に配偶者が応じず、一定の期間、セックスレスになっている事情がある場合は、婚姻を継続しがたい事由に当たる可能性があります。
ある判例では、夫婦の性生活が婚姻の基本となるべき重要事項であることや他の事情を考慮すると、夫が妻からの性生活の要求に長年応じず、妻が夫との性生活を嫌悪し離婚を決意するに至ったことは必ずしも無理からぬと判示したものがあります。(最判昭37・2・6民集16・2・206)

浮気

浮気は、「不貞行為」(民法770条1項1号)として、離婚事由に当たります。
ただし、配偶者が浮気をしたのが10年以上前で、浮気発覚後も平穏に夫婦で生活していたという事情があると、認められないおそれがあります。

酒乱・ギャンブル・浪費

程度にもよりますが、繰り返し行われている場合は、「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)に当たる可能性があります。

義母と不仲

夫の姑と不仲で、これにより夫婦関係も冷え込んだという事情があれば、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たる可能性はあります。

離婚の手続

離婚の種類について

協議離婚

協議離婚とは、夫婦がお互いに離婚することに合意して市役所に離婚届を提出し、受理されることによって成立する離婚です。
実は、日本における離婚の9割は協議離婚です。
次の調停離婚等になることは意外に少ないのです。
なお、子供がいる場合は、離婚届を提出する場合に、親権者を父と母のどちらにするか決めておく必要があります(民法819条1項)。

調停離婚

調停離婚とは、家庭裁判所に離婚調停を申立て、調停委員が入って夫・妻の両者の話し合いの上、離婚に合意するというものです。
夫と妻の話し合いと言っても、調停委員は夫と妻それぞれから別々に話を聞く、調停の待ち合わせ室が鉢合わせしないよう、それぞれの待合室を違う階にするなどの配慮もしてくれることもあります。
また調停費用も比較的手ごろです(申立て手数料1200円+郵便切手800円程度。※郵便切手代は裁判所によって異なります。)

審判離婚

審判離婚とは、夫と妻の間で合意できず調停が成立しない見込みになった場合に家庭裁判所がさらに夫と妻の主張及び調停委員の意見を聞いたうえで審判をし、離婚を認めることをいいます。
ただ、裁判所が離婚を言い渡したとしても、これに納得がいかない一方配偶者は異議を出すことができ、その異議が出されると審判の効力は失われてしまいます。

裁判離婚

裁判離婚は、調停では離婚が成立せず、また審判離婚にも不服があり2週間以内に不服申立てがあった場合に、家庭裁判所に訴訟を提起し、裁判所の判決によって離婚が成立するものです。
裁判離婚の場合、審理は公開の法廷で行われますので、当事者尋問等を見ず知らずの第三者に傍聴される等のデメリットがあります。

離婚届の出し方

意外に知られていない離婚届の出し方ですが、書類に不備があると受理されないこともあります。以下の点に注意しましょう。

① 離婚届は市町村の戸籍課に提出します。

本籍地以外の市町村に提出する際は戸籍謄本が必要になりますので、あらかじめ準備しておきましょう。
戸籍課への提出は、郵送でも受け付けてくれます。

② 署名は夫婦双方が行いましょう。

離婚届には、夫婦それぞれの署名・押印が必要です。
署名は、代筆は認められず、必ず本人が行うようにしてください。

③ 成人二人の証人が必要です。

離婚届には、証人欄があります。
二人の成人の証人が必要で、未成年者が証人になることはできません。
証人には、生年月日、住所、本籍を記入してもらい、最後に署名押印してもらいます。

④ 除籍する側の戸籍を選択しましょう。

婚姻で戸籍が変わった側は、
A 婚姻前の戸籍に戻る又は
B 新しい戸籍を作る
のどちらかを選択する必要があります。

⑤ 親権者を決めましょう。

未成年のお子様がいる場合には、お子様一人につき、それぞれ夫が親権を行う子か、妻が親権を行う子か記載します。

配偶者から勝手に離婚届を出されないようにするには

夫婦の一方が勝手に提出した離婚届であっても、市役所の戸籍課がいったん受理してしまうと、離婚は成立してしまいます。この離婚を無効にするには、裁判などを起こす必要があります。
そこで夫婦の一方による離婚届の提出を阻止するために、事前に市役所の戸籍課に不受理申出書を提出しておいた方が良い場合があります。
この不受理申出書を市役所にあらかじめ提出しておけば、相手方が提出した離婚届は受理されません。
不受理申出を撤回する場合は、取下書を市町村の戸籍課に提出します。
不受理申立書と取下書の書式は、市町村の戸籍課に置いてあります。

離婚調停申立てに必要なもの

夫婦の話し合い(協議)で離婚について合意できればいいですが、話し合いで離婚が決まらない場合は、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てることになります。
離婚調停申立てに必要なものは以下のとおりです。

必要なもの

・離婚調停の申立書
・夫婦の戸籍謄本
・収入印紙(1200円程度。)
・郵便切手(800円程度。※裁判所によって異なります。)
・これまでのいきさつを書いた日記やメモ(あれば。)
・夫婦の財産や収入が分かる資料(預金通帳、源泉徴収票や給与明細、自宅の登記など。あれば。)
・相手方に不利な証拠(浮気が分かる写真・レシート、DVを受けた際の写真・診断書、相手方暴言を録音したものなど。あれば。)

離婚調停の流れ

離婚調停の申立て

・離婚調停の申立てから約1か月後に調停期日が決まります。

調停期日

・調停は裁判官と調停委員2名が担当します。
・調停委員は経験豊かな40歳以上の男女各1名です。
・裁判官は通常は調停に同席せず、2名の調停委員が夫婦の双方から話を聞き、調整
を進めていきます。

<調停の当日>

・受付後、裁判所の待合室で待ちます。
時間が来ると、係の人もしくは調停委員が呼びに来てくれます。
・待合室は、申立人用と相手方用で別々に用意されています。
配偶者からDVを受けており、顔を合わせたくない等の事情ある場合は、あらかじめ裁判所に電話でその旨を説明しておけば、呼び出し時間をずらす、待合室を別の階にする等の配慮をしてくれることがあります。
・調停室には、夫と妻が入れ替わりで入り、それぞれが調停委員と話しあい、その内容が相手方に伝えられます。
・一回の調停で時間はだいたい2時間程度かかります。

調停期日

・離婚調停の場合、1回の調停期日で合意に至ることは稀です。
・通常は、約1か月前後の間隔で何回か調停期日を重ねていきます。

調停期日

・調停成立までの期間ですが、夫婦によって様々で半年から場合によっては1年を要することもあります。
・逆に、夫婦の一方が調停期日に来ない等の事情から早々と調停不成立になることもあります。

調停成立
調停調書の作成
調停離婚の成立
市町村の戸籍課に離婚届を提出

・調停成立から10日以内に提出する必要があります。

裁判離婚の流れ

最初から裁判を提起し、離婚を求めることはできません。
調停前置主義と言って、先に調停を起こす必要があります。
離婚調停を申し立てたが調停では合意できなかった場合に、はじめて裁判を起こすことができます。

訴状作成・提出

・訴状は、裁判所に一番先に提出する書面をいいます。
・家庭裁判所で書類の書き方を教えてもらい、自分で訴状を作成することもできます。
・しかし、裁判では、法律的な主張や立証(例えば、夫が浮気したと妻が主張したい場合に、夫が浮気した事実を証拠等により証明すること)が必要になります。

専門的な法的知識・力が必要になりますので、裁判になった場合は弁護士に依頼した方が得策でしょう。

第1回口頭弁論期日

・裁判官の前で、訴状に書いた内容を言います。
・第1回口頭弁論期日は、相手方(被告)は欠席することが多いです。

第2回口頭弁論期日

・第1回口頭弁論期日の後は、裁判所が原告と被告の都合のいい日時を確認したうえ上で、次の期日を決めます。期日と期日の間はだいたい1か月程度空きます。
・この間に、次の期日に向けて、主張や証拠を整理します。
・主張や書証(書面の証拠です。)がおおむね提出されると、証人尋問、当事者尋問などがあります。

第●回口頭弁論期日や弁論準備期日
判決

・離婚を認める旨の判決が出た場合、裁判所から判決書謄本と判決確定証明書が交付されます。勝訴した側(離婚を求める裁判を起こした側です。)が、この判決書謄本と判決確定書を判決確定日から10日以内に市町村の戸籍課に持っていき、離婚届を提出します。

離婚とお金

財産分与とは

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を、夫婦それぞれの財産として分けることです。その割合は、基本的に半分(2分の1)とされていますが、夫婦の一方の特別な努力や技術によって夫婦の財産が多額になったというような場合は、例外的に2分の1を超える金額で分けることになります。
今ある夫婦の財産を、夫婦のどちらがどのように取得するのかを、話し合いや調停の場で決めることになります。

財産分与の対象になるもの

財産分与の対象となる財産を共有財産といいます。特定の財産が共有財産かどうかは、財産の名義や所有者ではなく実質的な判断がくだされます。
つまり、夫婦の協力によって築いた財産であればそれは共有財産であるとみなされるのです。そのため、夫婦共同の名義で取得した不動産や生活に必要な家財道具はもちろんのこと、夫婦どちらかの名義になっているものであっても、夫婦共同で築いたのであれば共有財産となります。
これにはプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。

財産分与の対象になるものの例
・家(不動産)
・家具・家電等の家財
・現金
・有価証券
・年金・退職金
・保険の解約返戻金
・結婚期間中の夫婦生活のための借金(住宅や車のローン等)

財産分与の対象にならないもの

財産分与の対象とならない財産を特有財産といいます。特有財産は、婚姻前から所持していた財産や、婚姻中でも夫婦どちらかの努力のみによって得た財産のことをいいます。

財産分与の対象にならないものの例
・結婚する前の預貯金
・自分の親から相続した財産
・結婚する際にどちらかが持ってきた家具・家電
・ギャンブル等で個人が作った借金

財産分与の時期

財産分与は、一般的には離婚と同時に行います。離婚後に請求することも可能ですが、財産分与の請求は、離婚が成立した時から2年以内という制限がありますので、注意が必要です。
話し合いでまとまらない場合には、調停を行うことになります。

財産分与調停

離婚調停申立てに必要なものは以下のとおりです。
【必要な書類】
・調停の申立書とその写し1通ずつ
・戸籍謄本
・財産目録
・夫婦それぞれの財産に関する書類(給与明細、預金通帳のコピー、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書など。あれば。)

ローンが残っている自宅の財産分与の方法

ローンが残っている自宅の財産分与は、少し複雑です。ここで大事なのは自宅の査定価格とローンの残高の関係です。
ローンの残高が住宅の査定価格を上回っている場合をオーバーローンといい、その逆をアンダーローンと言います。
オーバーローンの場合には、第三者へ住宅を売却し、その売却益を分けることが多いです。反対に、アンダーローンの場合には、どちらかがローンを支払いながら住み続けることを検討することが多いです。この時に、支払う側と住み続ける側が異なる場合には、ローン支払いが滞るリスクがありますので、リスク回避のために、ローンの支払いをする側に強制執行ができるようにしておく必要があります。
住宅を必要とする事情は様々ですから、売却するのか、住み続けるのか、ローンの支払いはどうするのかについては、夫婦で話し合い、まとまらなければ調停や裁判等の手続の中で決めていくことになります。

退職金の財産分与の方法

退職金の分与の方法に関しては、色々な考え方があります。
まず、別居時に自己都合退職したと仮定して、その場合の退職金相当額から婚姻前の労働分を差し引いた額が対象となるという考え方があります。「今退職したら退職金はいくらになるか」を計算の基礎にするということです。
また、定年退職時に受けとる予定の退職金から、婚姻前労働分と別居後労働分を差し引き、中間利息を控除して口頭弁論終結時の額を算定する考え方もあります。簡単に言えば「同居期間中の労働期間」を退職金総額に割合として乗じた上で、将来受け取るものを今受け取ることの利息分を差し引くということです。
退職金の計算方法をどのようにすべきかといった問題は専門的で複雑な判断となります。

慰謝料

慰謝料とは

慰謝料とは、精神的な損害を受けた場合に、その損害をお金で償うためのものです。不倫・浮気やDVなど、配偶者が原因で婚姻関係が破綻したと言えるような場合には、配偶者に対して慰謝料請求ができますし、不倫の場合は、浮気相手にも慰謝料請求をすることが可能です。

慰謝料を請求できる場合とは

不倫・浮気をした場合

相手が不倫・浮気をしたような場合には慰謝料請求が可能です。 もっとも、1度きりの性行為や、1度風俗に通った程度では請求が難しかったり、請求できても金額が低額となる場合が多いとされています。 継続的な関係が必要です。

暴力・暴言などDVやモラハラがあった場合

相手の言動により、あなたや子どもが肉体的・精神的苦痛を受けた場合、慰謝料請求が可能です。 身体的な暴力に限らず、言葉による精神的な暴力についてもその程度によっては慰謝料請求が可能となります。

悪意の遺棄の場合

生活費を渡さない、理由も無いのに同居を拒否する、家を追い出すなど、「悪意の遺棄」があったと認められる場合には、慰謝料請求が可能です。

セックスレスの場合

こちら側が性交渉を求めているにも関わらずセックスレスとなった場合に、慰謝料を請求できる可能性があります。ただ、セックスレスに至った経緯について、相手に落ち度がないことが必要です。

離婚時の慰謝料の相場

慰謝料の金額は明確に決まっておらず、話し合いの場合自由に決めることができます。しかし、裁判例などで、慰謝料はおおよその相場が決まっています。話し合いでも、裁判例を参考に慰謝料の金額を決められることが多いです。

慰謝料の金額の相場は、離婚の原因にもよりますが、およそ100~300万円といわれています。

一般的に、婚姻期間が長ければ長いほど、相手の行為を受けた場合の精神的苦痛は大きいとされていますので、婚姻期間が長いと慰謝料が高額となる傾向があります。また、慰謝料請求の原因となる行為をした相手の社会的地位や年収が高いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。さらに、養育が必要な子どもの数が多いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。

不倫の場合には、不倫関係が長い場合や、不倫相手を妊娠・出産させるなど、その悪質性が高い場合には慰謝料が高額となる傾向があります。
DVやモラハラの場合には、その回数や期間の長さ、DV・モラハラによるケガや病気のの程度が重いほど、慰謝料は高額になる傾向があります。

慰謝料請求をするために

まずは証拠を集めましょう。

不倫・浮気の事実を証明する証拠

・ホテルやアパートに出入りしているところの写真
・メールやSNSなどで、肉体関係があったと思われるようなやり取り
・夫(妻)本人や、浮気相手が浮気の事実を認めたことを記録した書面

DVの事実を証明する証拠

・ケガの診断書
・ケガを撮影した写真
・暴力を受けた日時や場所、状況を記したメモや日記

悪意の遺棄を証明する証拠

・生活費の振り込みがないことがわかる通帳の記録
・別居に至った経緯などを記した日記
・別居先を特定できる資料

養育費

養育費とは

養育費とは、未成熟の子供が社会人として自立できるまでに必要とされる費用です。
実は民法に養育費という言葉は出てきません。
しかし、婚姻費用の分担(民法760条)、夫婦間の扶助義務(民法752条)、監護費用(民法766条)が根拠になります。
養育費をもらえるのは未成年者のみと決まっているわけではありません。

養育費の内容

養育費に含まれるものは以下のとおりです。
・衣食住のための費用
・医療費
・教育費
※教育費には、学校の授業料や教材費、部活動で要する費用、進学のための予備校の費用、塾の費用、家庭教師の費用、受験料等が含まれます。
なお、ピアノレッスン費や日本舞踊の稽古代は養育費に含まれないと判断した審判例があります。

養育費は何歳までもらえるか

養育費をもらえるのは未成年者に限られません。
そのため一律に20歳までというわけではないのです。
子供を扶養すべき状況にある期間になります。
家庭裁判所では、親の資力や学歴などを考慮のうえ、18歳や20歳までとする事例が多いです。

養育費の相場

養育費の額や支払い方法(一括か分割か)は、夫婦の協議で、それぞれの収入や生活状況に応じて決めます。
平均的な夫婦で子供が一人の場合、毎月2万円から4万程度が相場です。
しかし、夫婦の協議で養育費の額が決まらない場合は、家庭裁判所に調停の申立てをして、調停で話し合い、それでも決まらなければ、裁判所に審判で決めてもらいます。
裁判所での養育費の算定は、養育費算定表を用いて行われます。

養育費に税金はかからない

① 所得税について

所得税法は、「学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するも
のを除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品」については、所得税を課さないと規定しています(所得税法9条1項15号)。
養育費は、上記の扶養義務を履行するため給付される金品に該当します。
したがって、養育費に所得税はかかりません。

② 贈与税について

問題になるのが贈与税です。
贈与税についても、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにし
た贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については贈与税の課税価格に参入しないと規定されています(相続税法21条の3第1項2号)。
そうすると、通常必要と認められるものを超えている場合は贈与税がかかる可能性があるのです。
具体的には、養育費を毎月●円というように分割払いにするのではなく、一括払いで受領する場合は注意が必要です。

養育費を継続的にもらうには

養育費は長期間、継続的に支払われるものです。
そのため、離婚時に養育費の支払い金額を決めても途中で支払いが止まることが非常に多いです。
そこで、相手方からの養育費の支払いがストップしないよう、養育費を決める最初の段階でしっかりと対策を取っておくことが重要になります。
まず、夫婦で養育費についての合意書を作成しましょう。
合意書には、毎月の支払金額・支払日、支払期間、支払方法(振り込みの金融口座など)を記載し、両者の署名・押印をしましょう。
この合意書が、証拠になります。口約束にしてしまうと、後から「毎月5万円支払うと言ったことなどない。」と否定されるおそれがあります。
もっとも、この合意書ではまだ弱いです。
できれば、公証役場で、合意書の内容を公正証書にするのがベストです。
さらに、この公正証書を、強制執行認諾文言付き公正証書にしておくと、将来養育費の支払いがストップしてしまったときに、元夫の給料口座等を差し押さえることが可能になります。

養育費の支払いを元配偶者に催促したい

家庭裁判所では、養育費の履行の確保のために次のような制度を用意しています。

① 履行勧告

養育費の支払いが調停調書、家庭裁判所の審判や判決・和解調書などで定められている場合は、家庭裁判所に履行勧告の申立てをすることができます。
履行勧告は、家庭裁判所が、養育費支払い状況を調査し、きちんと養育費が支払われていない時に、義務者に対して、これを支払うよう勧告する制度です。
履行勧告の申立ては、口頭や電話でも行うことができ、手続きが簡単です。また、費用も手頃です。しかし、履行勧告は、文字どおり、あくまでも履行を勧告するにとどまり、養育費の支払いを強制することはできません。

② 履行命令

家庭裁判所に履行命令の申立てをすると、家庭裁判所が、一定の期間内に養育費を支払うよう命令します。そして、この命令に違反した場合には、過料を課すことができます。そのため、この制度は、①履行勧告よりも心理的負担を与えることができます。もっとも、①履行勧告と同じく、養育費の支払いを強制することはできません。

③ 強制執行

強制執行は、債務名義(養育費を支払うことが記載された調停調書や強制執行認諾文言付き公正証書等です。)に基づき、給与口座を差し押さえるなどして、強制的に養育費を回収するものです。
給与口座の場合、現在ストップしている養育費のほかに、将来支払われる養育費についても差し押さえることができます。

養育費の天引き

強制執行の箇所にも記載しましたが、養育費は将来の分も差し押さえることができます。
これには、養育費の支払いが調停調書や、家庭裁判所の審判・判決や和解調書あるいは強制執行認諾文言付き公正証書によって定められていることが必要です。
このような場合に、支払いがストップしている場合は、給料や役員報酬など義務者に継続的に支払われる債権を差し押さえることが可能です。
養育費の支払いがストップしている場合、現在の未払い分の累計のみならず、将来の分についても強制執行をできます。
月々の養育費が給料から毎月天引きされる形になります。

養育費の増額は認められるか

親権者側の収入が減った、子供の養育費が増加したなど事情が変更した場合には、養育費の増額が認められます。
まずは、当事者間で話し合うことになりますが、合意できない、話し合いを行うことすら困難という事情がある場合には、家庭裁判所に養育費の増額の審判を申し立てることができます。
これまでに家庭裁判所による養育費の増額が認められた事例を挙げます。

<増額が認められた事例>

・親権者の収入の減少
・進学等による教育費の増額
・子供の病気
・物価の大幅な変動

養育費の減額は認められるか

転職して給料が激減した、再婚して新しい家族を養う必要が生じた等、経済的事情が大きく変化した場合には、養育費の減額が認められます。
養育費の支払いは、場合によっては長期間に及びます。そのため、その間にお互いの経済的事情が大きく変わることもあります。
まずは、当事者間で話し合うことになりますが、合意できない、話し合いを行うことすら困難という事情がある場合には、家庭裁判所に養育費の増額の審判を申し立てることができます。

年金分割

年金分割とは

加入していた厚生年金・共済年金の保険料給付実績のうち、報酬比例部分(※基礎年金部分は対象外です。)を、多い方から少ない方へ分割する制度です。
年金分割制度の目的は、一般的には離婚しても妻が年金のみで生活するのが困難であり、経済的に厳しい状況に置かれることが多いため、離婚後の生活費確保にあります。
年金分割には、合意分割と3号分割の2種類があります。

合意分割とは

合意分割とは、分割割合を夫婦の合意によって決めるものです。
分割割合の上限は、50%です。
なお、分割の対象となるのは、夫婦双方の結婚期間中の標準報酬総額の合計額であり、夫婦の一方の対象期間標準報酬総額ではありません。

<具体例>
結婚期間中の標準報酬総額
夫8000万円
妻2000万円

案分割合を50%にした場合
分割により夫から妻に割り当てる金額
×4000万円
〇3000万円(結婚期間中の夫婦の標準報酬の総額の1億円の50%で、夫と妻はそれぞれ5000万円ずつ。よって夫から妻に3000万円がいく。

分割割合の上限が50%ということは、50%以下での分割も可能なのでしょうか。

制度では、上限が50%となっていますので、それ以下の例えば40%といった分割も一見可能なように思えますね。
しかし、実務において、50%以下の割合で合意されることはほぼありません。
理由は、当事者間で割合に争いが生じ、審判となった場合、裁判所はほとんどの事例で50%と判断するからです。
これは、離婚の原因が年金分割で利益をもらう側にある、長期間別居していた等の特殊な事情がある場合でも、同じです。
以上のことから、制度上は上限50%と規定されていますが。実際はほぼ例外なく50%での分割になると考えたほうがよいです。

年金分割の請求期限

制度としては、離婚後2年以内であれば、請求が可能です。
もっとも、時間がたってしまうと相手方と連絡が取れなくなってしまうこと等も考えられますので、なるべく離婚時に話し合いをしておきましょう。

3号分割とは

3号分割とは、第3号被保険者の請求に基づいて、第3号被保険者期間について、第2号被保険者の厚生(共済)年金保険料の納付済み記録の2分の1を、第3号被保険者に分割する制度です。

第2号被保険者とは

原則として、民間企業のサラリーマンや公務員、私立学校の教職員のことです。

第3号被保険者とは、

第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(例えば、専業主婦)で、年収が130万円未満の人のことです。

分割割合

3号分割の場合、合意分割と異なり、相手方(第2号被保険者)の同意は必要ありません。請求すると自動的に分割されます。分割割合50%です。

対象期

平成20年4月以降の第3号被保険者期間のみです。
そのため、平成20年4月以前の期間について分割を請求するには、合意分割の制度を利用しなくてはなりません。

年金分割の対象

分割の対象となるのは、夫婦双方の婚姻期間中の標準報酬総額の合計額です。
夫婦の一方の婚姻期間標準報酬総額ではありません。

共働きの夫婦の場合の年金分割について教えてください。

1共働きで夫婦ともに国民年金にしか加入していない場合
夫婦ともに国民年金にしか加入していない場合は、年金分割はありません。
2夫婦のどちらか一方が厚生年金または共済年金に加入している場合
夫婦のどちらか一方が厚生年金または共済年金に加入している場合は、加入している者から加入していない者への分割になります。
3夫婦ともに厚生年金または共済年金に加入している場合
結婚期間中に厚生年金または共済年金に加入していた期間の標準報酬月額を再評価して、その合計額を算出。
標準報酬月額の合計額を夫婦で比較して、多いほうから少ないほうに分割を行います。

DV

DVとは

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、明確な定義はありません。
日本では、「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使われることが多いです(内閣府男女共同参画局のHPより。)
また、DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)では
「配偶者からの暴力」を、「配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。」と規定しています。

暴言はDV?

上記のDV防止法に「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」とあるように、暴力には、身体的な暴力のほかに、暴言を吐くなどの精神的な暴力も含まれます。
ただし、下記で詳述する、DV防止法の「保護命令」を出す場合の要件となる「相手方から受けている暴力」は、身体的暴力に限定されるので注意しましょう。
ただ、暴言の場合も、生命等に対する脅迫といえるような内容であれば、保護命令の要件に当てはまる可能性があります。
暴力を受けた場合は、これを証明できる証拠を残しておきましょう。暴言を受けた場合も、証拠があれば、後々の離婚交渉が有利に進められる可能性がありますので、録音しておく等して証拠を残しておきましょう。

DVを行う配偶者から避難する方法(①一時的な避難)

配偶者による暴力により、あなたやあなたの子供に危害が及びそうな場合は、避難しましょう。
ただ耐えているだけだと危険です。また耐えたことで精神的な病気を発症してしまうおそれもあります。
配偶者から避難できる場所はありますか?
実家や親しい友人宅など避難できる場所があればよいですが、配偶者が場所を知っている場合、追いかけてくるおそれがあります。
そのような場合、各都道府県の配偶者暴力相談支援センターに相談してみてください。
センターでは、被害者の一時保護を行うなど、被害者が自立して生活できるように支援してくれます。
また、市町村、警察署、福祉事務所の窓口でも、相談をすると、各種機関と連携を取ってくれ、一時保護施設(シェルター)に保護してもらえることもあります。
シェルターは無料で利用できますが、利用期間が限られています(都道府県、市町村によって異なりますがだいたいは2週間程度。)。
そのため、シェルターにいる間に、引っ越し先を決める必要があります。

DVを行う配偶者から避難する方法(②長期的な引っ越し)

DVを受けている者が女性で、かつ18歳未満の子供と一緒の場合、母子生活支援施設の利用が可能です。
また、DVの被害者については、公営住宅の入居要件が通常よりも緩和されていますので、公営住宅の利用も選択肢に入れておきましょう。
さらに、民間のアパートやマンションを借りるときも、DV被害者の場合は優遇策があります。

裁判所の保護命令

避難場所を見つけても、DVを行う配偶者が追いかけてこないか不安が残ります。
このような場合には、裁判所に保護命令を出してもらうことを考えてみましょう。
保護命令とは、裁判所が、暴力を振るう一方配偶者に対し、接近禁止命令または退去命令等の命令を出すものです。
裁判所が出す命令ですから一定の威力はあります。

保護命令について

保護命令には、以下の種類があります。

接近禁止命令

6ヶ月間、申立人につきまとったり、申立人の住所や勤務先等の付近をうろつくことを禁止する命令です。

退去命令

夫婦が同居している場合で、申立人が同居する住所から引っ越しをする準備等のために、配偶者に対して2ヶ月間、居宅から出て行くことを命じます。あわせて、その2ヶ月間、その居宅の付近をうろつくことを禁じます。
この命令に違反すると、1年以下の懲役または100万以下の罰金に処せられます。

子供への接近禁止命令

子供を保育園や小学校などから連れ去られるおそれがある場合に、6ヶ月間、申立人と同居している子供につきまとったり、自宅や保育園・学校など、子供が通常いる場所の付近をうろつくことを禁止する命令です。

親族等への接近禁止命令

配偶者が申立人の実家等に押しかけて暴言や暴行を行ったりしている場合に、6ヶ月間、その親族等につきまとったり、勤務先等の付近をうろつくことを禁止する命令です。

電話等禁止命令

6ヶ月間、「会いたい。」等の面会の要求、深夜の電話やメール行為などの迷惑行為を禁止する命令です。

保護命令の要件

① 配偶者から暴行罪又は傷害罪に当たるような暴行を受けたことがあるか又は生命・身体に対して害を加える旨の脅迫を受けたことがあること
② 今後、配偶者からの身体に対する暴力によりその生命身体に危害を受けるおそれが大きいこと
の要件が必要です。

保護命令の申立先

保護命令は、DVを行った配偶者の住所を管轄する地方裁判所に申し立てます。
しかし、被害者であるあなたの住所や現在あなたがいる居所を管轄する地方裁判所に申し立てることもできます。
また、実際に暴力や脅迫が行われた場所を管轄する地方裁判所に申し立てることもできます。

裁判所が、保護命令を発令するまでの流れ

1保護命令の申立て

まず、裁判所に保護命令を申立てます。
保護命令の申立書の記載事項はDV防止法に規定されています。

<保護命令の申立書の記載事項>
1配偶者から身体に対する暴力や脅迫を受けた状況
2配偶者から更なる身体に対する暴力により生命または身体に対する重大な危害を受けるおそれが大きいと認められる事情
3子供への接近禁止命令の申立てをする場合は、配偶者がその子供を連れ去ると疑うに足りる言動を行っていること
4配偶者暴力相談支援センターや警察に対し、配偶者からの暴力や脅迫について相談していた場合や保護を求めていた場合は、その旨
※ 上記の相談をしていない場合は、公証人面前供述調書という書面を添付することが必要になります。
そのため、保護命令の申立ての際には、事前に支援センターや警察に相談に行っておいた方が良いでしょう。

2申立人の審尋(面接期日)

申立書に形式的な不備がなく裁判所に無事に受理されると、速やかに審尋が行われます。
申立人の審尋とは、裁判所において裁判官が申立人に申立ての事情を確認するというものです。
なお、東京地方裁判所では、申立て当日に申立人の審尋を行っています。

3配偶者の審尋

申立人の審尋期日から1週間〜場合によっては10日くらい後に、配偶者の意見を聴取するための審尋期日が設けられます。
裁判所は、配偶者の意見(主張)を確認してから証拠に照らして、保護命令を発するか否か最終的に判断するのです。

4保護命令の言い渡し

保護命令は、配偶者が審尋期日に出頭した場合は、その場で言い渡されます。
が審尋期日を欠席した場合は、保護命令の決定書が相手方配偶者に送達され
配偶者に決定書が到達した時点から保護命令の効力が生じます。

配偶者が保護命令に違反して、周辺をうろついたり、脅迫の電話をかけてきた場合

保護命令に違反した場合は刑罰があります。
この刑罰はかなり重く、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます(DV防止法29条)。

配偶者に居所を知られないために

通常、引っ越した場合は、もとの住所を管轄する自治体に転出届を提出します。
しかし、転出届を提出すると、もとの住民票に転出先の住所―つまりあなたが現在暮らしている場所が記載されることから、配偶者が住民票を閲覧してしまうと、新たな住所を知られてしまうおそれがあります。
そこで、できるだけ住民票は移さないのが得策といえます。
住民票を移していなくても一定の行政サービス(生活保護や児童扶養手当の受給など)を受けることは可能です。
新たな住所を管轄する最寄りの市役所に相談してみましょう。
やむを得ず住民票を移さなくてはならない事情がある場合は、配偶者による住民票の閲覧・交付請求を制限する手続をしておきましょう。

暴力をふるう配偶者から逃げ、子供が新しい学校に通う場合の注意点

子供を新しい学校に通わせる場合、通常は
1住民票を新たな住所に移す
2必要書類を前の学校から新しい学校に送ってもらう
等の手続きが必要です。
しかし、これらの手続をすることによって、配偶者が引っ越し先の住所を突き止めてしまうおそれがあります。
そのため、できるだけ住民票は移さないようにしましょう。
学校への転入手続は、教育委員会や学校側に相談することで、対策を行ってくれることがあります。
それでも、配偶者が子供の転校先の学校を突き止め学校で待ち伏せする・子供を連れ去る等のおそれが考えられる場合は、裁判所による子供への接近禁止命令を考えましょう。

保護命令の要件に当てはまらないが、付きまとい・待ち伏せ等をされている場合

付きまとい・しつこい嫌がらせなど、身体に対する暴力をふるわれたのではない場合は、保護命令は出されません。
そこで、このような場合はストーカー規制法(正式名称はストーカー行為等の規制等に関する法律といいます)の活用が考えられます。

ストーカー規制法とは

ストーカー規制法は、
① 特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、
② 当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し
③ つきまとい等の一定の行為を禁じる法律です。

具体的には、以下の行為をすることを禁じます。

① つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
② その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
③ 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
④ 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
⑤ 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
⑥ 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
⑦ その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
⑧ その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

つきまとい等の行為が行われた場合、状況に応じて
① 警察本部長等による警告
② 公安委員会または委任を受けた警察本部長等による禁止命令
が行われます。
禁止命令等に違反した場合は罰則が科せられます(懲役2年以下、罰金200万円以下)。

離婚と子ども

離婚する際、子供の親権はどうなるか

父母が離婚した場合は、どちらか一方の単独親権になります(民法819条1項・2項)。
親権者を決めずに離婚することはできません。
未成年の子供がいる場合、離婚が成立するためには夫婦の一方を親権者として指定することが必要です。

親権者の決め方

話し合いで決まらなければ、調停や裁判になりますが、その場合、子供の利益を考慮して親権者は決まります(民法819条6項)。
具体的には、以下のような事情が考慮されます。

① 親の事情

・これまでの監護状況
・これからの監護状況の優劣
父と母でどちらのほうが居住環境、家庭環境、教育環境、経済状況が優れているか
・子供に対する愛情、子供を監護していくという強い意思
・心身の健全性

② 子供の事情

・子供の年齢や心身の状況
・子供の意思
父と母のどちらといたいと考えているか
・学習環境等の環境の継続性
・兄弟姉妹との関係

親権者の変更

離婚時には親権者を当事者の協議の上決めることができますが、親権者の変更は当事者間の協議のみによって変更することはできません。
家庭裁判所の手続きが必要です。
親権者の変更は家庭裁判所の審判事項です。親権者の変更を申し立てようとする場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることも審判を申し立てることもできます。
調停が成立しなかった場合は審判へ移行します。

変更が認められる事情

「子供の利益のため必要があると認める」事情があるときは、親権者の変更が認められます。
子供が15歳以上のときは、子供の意見を聞かなければならず(家事事件手続法169条2項)、子供の意思は重要な判断材料となります。

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